ミノキシジルはもともと血管を拡張して血圧を下げる降圧薬として開発されました。降圧薬として使用されていく中で偶然発毛効果が発見されてAGA治療薬として使われるようになっていったのがミノキシジルです。
ミノキシジルの正確な発毛機序はまだわかっていないところが多いですが、一番の効果としては血管拡張作用になります。血管を拡張することにより、血流がよくなって髪の毛の育成に欠かせないアミノ酸やミネラルといった栄養が届きやすくなります。このおかげでヘアサイクルが乱れて長い休止期に入ってしまっている毛根がもとの正しいヘアサイクルに戻りまた髪の毛が生えてくるという流れになります。 ミノキシジルの効果の特徴はこの血管拡張効果になりますが、毛の成長が止まっている休止期の毛根周囲や毛乳頭では毛細血管は激減してしまっています。血管拡張作用によりこの少なくなった血管を拡張させていただけではなぜ高い効果が多くの患者様にでるのか説明できません。
実は反対に毛が成長している成長期の毛根周囲や毛乳頭では多数の毛細血管が新生していています。この血管新生に働く物質は、血管内皮増殖因子(VEGF)と呼ばれ、毛の成長をコントロールしていると考えられている毛乳頭細胞が分泌していることは知られています。ミノキシジルにはこの毛乳頭を刺激してVEGFの放出を促進させて血管新生を起こす機序もあると考えられているのです。
血管拡張と血管新生のふたつの効果によってミノキシジルは発毛へと導きます。
AGAの進行をとめる脱毛抑制作用がメインになるフィナステリドとミノキシジルとの大きな違いはこの発毛効果になります。もちろんフィナステリドと併用することでさらに高い相乗効果を期待することができます。日本で行われた臨床試験によりますとミノキシジルを使用された患者さまのおよそ98%の人に薄毛改善が確認されています。