AGA(男性型脱毛症)の原因
AGAはさまざまな原因が合わさった時に生じる病態です。色々な原因があるものの、AGAの原因は遺伝的要因(生まれもったもの)、環境要因(生活習慣や嗜好品など)の大きく2つにわけて考えられます。
遺伝的要因(生まれもったもの)
遺伝的要因としては、両親から受けついだ幾つかの遺伝子がAGAに関与していると報告されていますが、実際には男性ホルモン受容体にかかわる遺伝子を検査することで、薬の効きやすさやAGAのなりやすさを調べることができます。
環境要因(生活習慣や嗜好品など)
環境要因としては、頭皮や毛根への血行や栄養を妨げるような要因が考えられます。ストレスや喫煙は頭皮への血行を悪くします。また悪玉のコレステロールが増えるような高脂血症は毛細血管への血流が悪くなり、毛髪(毛乳頭)の血行不全を招きます。糖尿病では頭頂部の薄毛の原因になります。
偏食や過剰な飲酒習慣があるかたは、髪の毛の成長に必要な栄養分が足りなかったり、肝臓の機能が悪く必要な栄養分を作り出せなかったりすることで発毛の妨げになります。このようにAGA治療のためには様々な原因を取り除いてゆく必要があります。
男性ホルモン
テストステロンが毛根のところで5αリダクターゼという酵素の働きで、ジヒドロテストステロン(DHT)というホルモンに変化します。このDHTが毛髪の成長を抑制してしまいます
遺伝
男性ホルモン受容体遺伝子のcagリピート、ggcリピートを調べることで薬の効きやすさやAGAを発症しやすいかどうかの判断が可能です。
環境要因
頭皮の血行を妨げること、毛根への栄養が届かないこと、これらの原因となるすべてのことがAGAの原因になります。
毛周期
毛には、生まれて、成長して、抜け落ちて、また生まれるという正常な周期があります。これを毛周期(ヘアサイクル)と呼びます。つまり私たちの毛髪は常に入れ替わり生まれ変わっているのです。ですから正常な人は約10万本あるといわれている毛髪のうち、毎日50から100本ずつ抜け落ちていますが薄毛になりません。
AGAの患者さんでは、通常数年間続く髪の成長期がジヒドロテストステロンの作用で数ヶ月から1年程度に短くなってしまうため、髪の毛が成長しきらずにどんどん抜けていってしまい薄毛になります。
また頭皮や毛根への血行障害や栄養不全の状態では正常な発毛が促されないため毛周期も崩れてしまいます。
薄毛治療では、この毛周期を正しく理解し、診断することが大切になってきます。乱れた周期を、発毛治療、育毛治療、抜け毛予防により、正常な周期に戻すことが治療の原則です。